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こと京都のBCP対策
なぜ、やるのか?
ターニングポイントとなったのは、2017年に京都を直撃した「台風21号」、 翌18年の「西日本・7月豪雨」と立て続けに起こった災害。 一晩で200トンものねぎが倒れてしまいました。なんとか被害が少ない圃場からねぎを調達しましたが、 やはり量が足りずに、スーパー各社への出荷を断念。 創業以来、初めて生産停止と工場を休業する事態を経験しました。
近年の台風の大型化は顕著で、京都府全域が同時に暴風圏内に入ることがめずらしくなく、 異常気象が異常ではない環境となった今、それではダメだと痛感。 そこで、農業版のBCP(事業継続計画)を導入しました。
BCPとは、事業継続計画(Business Continuity Planning)の頭文字をとったもので、災害やテロなどの緊急時にその損害を最小限にとどめつつ、事業の継続や早期の復旧を可能にするため、平常時からの取り組みと、緊急時の対応などをまとめておく計画のことです。 自然災害、とりわけ台風の猛威を取り除くことはできませんが、経営への影響を限りなく小さくすることはできます。
こと京都では、2020年から「防災指針書」としてBCPを策定。南海トラフなどの巨大地震、そして大型台風などへの対応方針を明記しています。
私たちの台風対策
台風発生から、責任者が時期や勢力によって対応プランを決定し、台風の進路により、 被害を受けそうな地域から優先してねぎの倒伏を防ぐ防風ネットやロープの設置、 被害が大きくなる草丈が高いものの前倒し収穫や葉先の刈り込みなどを指示します。 それと同時に、工場部門では保管冷蔵庫の容量の確保、営業部門では受注量の調整や販売先に対して出荷状況を密に連絡します。
また、8月から10月末までの3ヶ月間を「台風対策期間」に設定。 ”NEVER GIVE UP!”というオリジナルのロゴと「台風に負けない、諦めない。」というスローガンを掲げ、社員が団結して対策を強化しています。
さらに、この取り組みを強化するため、各工場に冷蔵施設を増強。 亀岡・向島・藤枝・横大路と各工場の合計で10日分にあたる60トンもの在庫確保を可能としています。 状況に応じて10トン規模の冷蔵トラックのリースも手配できるようにしています。
平常時からの取り組み
その他、地震対策も含め、平常時におこなっている取り組みを一部ご紹介します。
防災委員会の設立
各工場・部署から1名ずつ選出され、防災指針書の編纂をおこなったり、防災訓練や研修を主導したりしています。また、全員で「防災士」の資格取得を目指しています。
防災訓練・防災アワード
より防災意識を高められるよう、工場ごとに、従業員が自ら企画した防災訓練を実施。 「計画力・組織力・伝達力・有効性・独自性」の総合点でNo.1になった工場には、 「防災アワード」で表彰をおこなっています。
炊き出し訓練の実施
震災が起きた場合、美味しい食事を提供し、助け合える体制づくりや防災力の向上を目的として実施しています。 能登半島地震では、お取引先様と協同で、発生後1週間で炊き出しや支援物資を提供。 その後も長期的な支援をおこなっています。
担当者より
九条ねぎは屋外の畑で栽培します。
お客様に年間を通して安定的に提供するためには、災害と向き合うことが不可欠です。防災・減災に取り組むことになったのは2017年と2018年の大規模な台風被害が要因です。
静岡県藤枝市に工場を建設したことも地震への備えを強化することにつながりました。
従業員の命と暮らしを守り、お客様のご商売も守るため、防災経営へと舵を切り、取り組みを続けています。
防災指針書を発行し始めて5年が経ち、企業防災の知見や能力が向上しました。
これを自社のためだけではなく、関係する地域や団体の皆さまへの支援にも役立てようとしています。
これまで積み上げてきたことが、能登半島地震の被災地支援活動(炊き出し支援)で活きていることは、開かれた防災経営を志す当社として、何よりの成果ではないかと感じています。
災害大国ニッポンで安心して暮らせるように、防災経営の一層の成長進化を目指します。
防災委員長 宮川光太郎